交通事故で視力が落ちた場合に後遺障害認定されることはある?

交通事故の後遺症には様々なものがありますが、例えば眼球に傷がついてしまったり、まぶたに障害を負ってしまったりというような状況があります。

交通事故の影響により視力が衰えると日常生活に様々な面倒が発生しえますし、職業によっては就労能力に支障がでることもありますので、被害者としては後遺症については後遺障害等級認定を受けて賠償金をしっかりと受け取りたいところです。

この記事では、交通事故で視力が落ちた場合の後遺障害等級認定についてご説明します。

交通事故による目の後遺障害とは

交通事故の被害による後遺障害には、大きく分けると眼球自体への損傷・障害と、まぶた部位への損傷・障害の2パターンが存在します。眼球を傷つけてしまった場合には、損傷による視力の低下、視覚の調節機能の不具合、視野障害が狭くなるなどの後遺症がありえます。

まぶたの損傷・障害には、眼球を負おうまぶたが一部なくなってしまう欠損障害や、瞼の筋肉の運動が正常にできないという障害がありえます。

眼球の障害と後遺障害等級認定

眼球を損傷すると多かれ少なかれ、見る能力には支障がでます。支障の内容や程度により後遺障害等級認定と基準が異なりますので、以下それぞれ解説します。

視力障害

後遺障害等級認定における視力の傷害度合いの判定は、裸眼での視力測定結果ではなく、めがねやコンタクトレンズの装着など日常生活で可能な限りで視力を補強した際の視力をみます。

ただし、眼球の状態によりメガネやコンタクトレンズによる補強が医学的に難しい場合は、裸眼による視力で判定します。

視力障害における後遺障害等級認定はもっとも程度の重い両目の失明が後遺障害等級1級となり、障害が両目に残るのか、視力がどの程度さがったのかによって、以下後遺障害等級13級まで認定される可能性があります。

調節機能障害

眼球の機能として近くのものを見る際には水晶体が膨張し遠くのものを見る際には縮小するというピントあわせの調節機能があります。

交通事故の後遺症で「著しい調節機能障害を残すもの」、つまり障害をおった眼がピント調節できる範囲が、障害を受けなかった眼の調節範囲の2分の1以下となってしまった場合、後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。

なお、両眼とも交通事故で損傷した場合や、もともと交通事故で損傷していないほうの眼の調節力に持病などで異常があった場合には、比較基準として年齢別の調整力が用いられます。認定されうる等級としては、両眼の眼球に著しい調節機能障害を残すものであれば、後遺障害等級第11級1号、1眼の眼球に著しい調節機能障害を残すものであれば後遺障害等級第12級1号があります。

運動障害・複視

眼球は上下、内外、斜めの3対の外眼筋という筋肉に支えられることで正常な位置に保たれ動かすことができます。この筋肉が事故の影響で麻痺してしまった場合、眼球の位置が麻痺した筋肉と反対の方向にずれてしまい、麻痺した筋肉の方向へ動かせる範囲が狭まってしまったり、複視という状態が残ってしまったりすることがあります。

複視とは、両目の眼球の向きがずれて異なる方向を向いてしまうことにより、ものが二重に見えてしまうことをいい、頭痛やめまいなどの症状をひきおこすこともあります。

運動障害の場合は、両目に「著しい運動障害を残すもの」が第11級1号、片目に「著しい運動障害を残すもの」が第12級1号となります。著しい運動障害とは、頭を動かさずに眼球の運動のみで直視することのできる範囲が通常の2分の1以下に制限されてしまっている状態をいいます。

複視の後遺障害等級認定は、正面を見た場合に複視の症状を残すものは第10級2号、正面以外を見た場合に複視の症状を残すものは第13級2号となります。

視野障害

眼前の一点を見つめたときに見ることができる外界の広さを視野といいますが、事故により視野が狭くなってしまった場合後遺障害等級認定される可能性があります。認定されうる等級としては、両目に障害が残った場合に第9級3号、片目だった場合に第13級2号です。

まぶたの後遺障害

まぶたが欠損してしまった場合には、欠損の程度によって後遺障害等級9級から14級まで認定される可能性があります。また、まぶたを開けたりしめたりするための筋肉である眼瞼挙筋や眼輪筋が損傷し、運動障害が残ってしまった場合、後遺障害等級11級または12級が認定される可能性があります。

最後に

いかがでしたでしょうか。交通事故による目の損傷には様々な種類があり、症状や程度によって認定されうる後遺障害等級は様々です。視力が損なわれてしまうと、クオリティオブライフに様々な悪影響がでてしまいますので、専門家に相談し、妥当な後遺障害等級認定を得られるようにしましょう。

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