交通事故で骨折した場合の後遺障害について

交通事故では大きな衝撃が人体に加わりますので、場合によっては骨折してしまう被害者の方もおられます。交通事故被害で骨折した場合、病院に入通院して治療をしますが、骨折の状態や程度によっては、不幸にも元どおりにはなおらず、痛みが残るなどの後遺障害が残ることがあります。

こうした場合、加害者の保険会社に後遺障害慰謝料等を請求し、金銭的な填補を受けることをめざすことになります。この記事では、交通事故で骨折した場合の後遺障害についてご説明します。

骨折の種類

成人の人体にはおよそ200個の骨が存在していると言われています。そのため、一口に骨折と言っても、部位や程度により怪我の程度や残りうる後遺症は異なります。骨折の種類は主に4つありそれが以下の通りです。

  • 骨の中心部分を骨折してしまう「骨幹部骨折」
  • 指先など骨の先端部分を骨折する「骨端部骨骨折」
  • 骨幹部と骨端部の境目を骨折することを「骨幹端部骨折」
  • 「関節内での骨折」

特に、肩関節の脱臼骨折等をはじめとする関節内骨折は、関節の中の2つの骨がうまく結合しきらず引っかかり等を残してしまったまま癒合すると、治療後も痛みが続くという後遺症がでてしまうといわれています。

骨折による後遺障害の種類

上述のように骨折の種類にはさまざまなものがあり、それによっておこりうる後遺障害の種類も異なります。

しかしながら、もっともよくある後遺症の例の一つとしては、骨折部位に治療後も痛みが残るというものです。このような後遺症について認定されうる後遺障害等級としては、12級13号と14級9号があります。

12級13号の後遺障害はレントゲンやMRIをはじめとする他覚的所見等により痛みの存在を医学的に証明できます。

一方で、画像所見などでにはあらわれないものの、患者や主治医の意見書や補足テストなどによって痛みが存在することが合理的に説明できる場合は14級9号となります。

後遺症と後遺障害とは違う

後遺症は一般用語としても使われる言葉で、交通事故など何かしらのアクシデントの影響が、時間が経過しても残存してしまうことをいいます。

一方で、交通事故の文脈で使われる後遺障害とは、交通事故被害の後遺症が、治療した後にも残ってしまい、それについて被害者側から自賠責事務所という審査機関に後遺障害等級認定申請を行い等級が認定されたものになります。

交通事故の怪我の治療が一定期間進むと、主治医による症状固定が検討されます。症状固定とは、これ以上治療を続けても、症状が良くも悪くもならないという状態となることを言います。

そして、症状固定後も残存する症状が後遺症となります。症状固定がなされると、これまで保険会社から給付されていた傷害保険金がうちきりとなってしまいます。

そのため、症状固定後に残った後遺症について補償を受けるためには、後遺障害等級認定申請を行う必要があります。後遺障害等級には、1級から14級まであります。

先にご説明した骨折の後遺症の等級のご説明からもわかりますが、等級が若いほど重篤な後遺症であると認められたこととなり、その分受給できる後遺障害保険金の金額も大きくなります。

しかし、後遺障害等級が認定されなかった場合、被害者としては後遺症についての保障が一切受けられないということになります。

したがって、被害者にとって、後遺障害等級認定を適切に受けること、なるべく良い等級で認定してもらう事は非常に大切なことです。

骨折について納得のいく後遺障害等級認定を受けるために

自賠責事務所は書面主義といって、被害者との面談などは行わず、提出された書類のみで後遺障害等級認定を行います。

そのため、納得のいく後遺障害等級認定を受けるためには、十分に準備された後遺障害診断書などを用意し提出することが必要です。

後遺障害等級認定申請には、事前申請といって加害者の保険会社が申請を代行してくれる方法と、被害者申請といって、被害者自らが申請をする方法があります。

事前申請は、書類の用意をする手間などが省けて楽であるというメリットはありますが、よりよい後遺障害等級認定を受けるためには被害者申請を選ぶことがおすすめです。

被害者申請であれば、納得がいくまで書類で骨折の後遺障害の主張立証を尽くすことができるからです。特に、画像所見などには現れない後遺症については、被害者側の創意工夫は非常に大切です。

また、交通事故の被害者側の案件に精通した弁護士に申請のサポートをお願いすることも有効です。

例えば、主治医は治療のプロではありますが、後遺障害等級認定申請に必ずしも詳しいわけではありません。主治医が書いた後遺障害診断書を見て弁護士が書き直しを依頼したところ、自賠責事務所に伝わりやすいように書き方がかなり変わるということもよくあります。

上述したように骨折の種類は数多く、医学的、法的な専門知識がないなかで、被害者が主治医にこのようなお願いを効果的に伝えることは至難の技です。

また、弁護士に依頼しておけば、万一自賠責事務所から期待に沿わない審査結果がかえってきたあとの不服申し立て手続きや、認定後加害者の保険会社と実際に保険金を支払ってもらうための示談交渉もお任せできるので、被害者としては安心できるところです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。人体には非常にたくさんの骨があるため、骨折にはさまざまな種類側があります。

後遺障害もそれに応じて千差万別ですが、典型例としては骨折部に痛みが残るという後遺障害等級12級または14級の後遺障害があります。

後遺障害等級認定申請をする際には、交通事故に詳しい弁護士に相談しつつ被害者申請を利用することがおすすめです。

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